頭痛の六経弁証と治療

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頭痛の六経弁証と治療

太陽病頭痛

太陽病頭痛は、表証・熱証に属します。もし表が虚しているならば、必ず発熱・悪風・自汗・脈浮緩を呈します。この時は桂枝湯(ケイシトウ)を用います。後頭部痛に項から背部まで強ばる場合は桂枝加葛根湯(ケイシカカッコントウ)を用います。もし表が実しているならば、必ず発熱・悪寒・無汗・脈は浮緊を呈します。この時は麻黄湯(マオウトウ)・大青竜湯(ダイセイリュウトウ)を使用します。後頭部痛には葛根湯(カッコントウ)を用います。

太陰病頭痛

太陰病頭痛は表証・寒証に属します。もし表が虚しているならば、悪風悪寒・脈は緩弱を呈します。桂枝加附子湯(ケイシカブシトウ)を用います。四肢厥冷・血行不良のために陽気がうまく巡れないものには、当帰四逆湯(トウキシギャクトウ)を用います。もし表が実しているならば、悪風悪寒・発熱・脈は浮かずに逆に沈を呈します。この時は麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)を用います。

陽明病頭痛

陽明病頭痛は、裏証・熱証に属します。もし陽明の腑が実しているならば、口渇・便秘・脈は沈実を呈します。承気湯(ジョウキトウ)を用います。もし陽明経の証であれば、多汗、激しい口渇になるため、白虎湯(ビャッコトウ)を用います。もし後頭部痛ならば、葛根芩連湯(カッコンゴンレントウ)を用います。もし陰虚熱があれば、イライラと不眠があります。この時は酸棗仁湯(サンソウニントウ)を用います。

太陰病頭痛

太陰病頭痛は裏証・寒証に属します。からえずき・唾を吐くものは、呉茱萸湯(ゴシュユトウ)を用います。もし月経痛があれば、温経湯(ウンケイトウ)を用います。四肢厥逆(手足がひどく冷たい症状で、程度は手足厥冷よりも重い)の場合は四逆湯(シギャクトウ)を用います。

少陽病頭痛

少陽病頭痛の発病部位は一般的に頭部の両側に出現します。半表半裏証に属し、小柴胡湯(ショウサイコトウ)や柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)を用います。実熱に偏るものは大柴胡湯(ダイサイコトウ)を用います。虚寒に偏るものは柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)を用います。

厥陰病頭痛

厥陰病頭痛は寒熱錯雑または上熱下寒の状態を呈します。烏梅丸(ウバイガン)・半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)などを用います。また外治法として頭風摩散(ズフウマサン)があります。これを用いて発作性頭痛を治療します。

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