プラセンタとは胎盤のことです。胎盤には胎児細胞の成長に必要な様々な有効成分、栄養成分、活性物質が含まれており、その薬効は古くから注目されてきました。
中国でも秦の始皇帝の時代に不老長寿、滋養強壮薬の妙薬として珍重され、唐の時代の医学書「本草拾遺」には「胞衣」「人胞」という名で、また明の時代には医学書「本草網目」にて「紫河車」という名で滋養強壮の薬として紹介されています。
プラセンタはその細胞活性化作用によって細胞の新陳代謝が活発になり、生理機能が高まり、病気に対する抵抗力および回復力が増強されます。また抗酸化作用によりアンチエイジング効果も期待できます。
当院では注射(ヒトプラセンタ製剤)と内服によるプラセンタ治療を行っています。
メルスモン
保険適応は更年期症候群と産後乳汁分泌不全
1日1本、月に15本まで
ラエンネック
保険適応は慢性肝疾患における肝機能の改善。美容や健康目的の場合は自由診療
どちらもヒトの胎盤から抽出したエキスを使用した、安全性の高い製品です。
プラセンタが使用開始されて以来、感染症を起こした報告は日本では1件もありませんが、血液製剤と同じように接種した方は今後献血をすることができなくなります。
上記以外は自由診療になります。自由診療の場合、まとめて投与が可能です。例えば更年期の方なら、週に2~3回来られる場合はメルスモン、週に1回くらいの受診であればラエンネック2本、月に1回であればラエンネック4本がおすすめです。
もともと、プラセンタの投与はゆっくり吸収される皮下埋没方法が行われており、注射投与の際にも吸収に3日~1週間を要する皮下・筋肉注射が望ましいと言われています。
メルスモン・ラエンネックのどちらも静脈投与の適応はありません。
美肌点滴と称してプラセンタの点滴静注行っているところもありますが、有効性や安全性が確立されていないため当院では、皮下注射および筋肉注射のみ行っています。