変形性関節症の鍼灸(ヒザ、ヒジ、指)
症状
関節周囲の疼痛、腫れ、引っ掛かり感、違和感、歩行時・階段昇降時・正座の痛みなど。
原因と変化
関節症の発症は、遺伝子や、身体の使いすぎや体重負荷、外傷を原因に進行して発症します。
その原因には軟骨のもろさや、外傷、関節自体の状態があります。そして軟骨のすり減りが骨組織を壊して関節の変形と症状の悪化を起こします。
特に、膝関節、股関節の関節症が主要に現れ、50歳以上の1000万人が変形性膝関節症による膝痛を経験しています。
現代医学の治療法
関節症の悪化の防止には適度な運動負荷と肥満の改善や労働量の調節、関節炎のコントロールが必要だとされています。また機能的な治療として関節周囲の柔軟性の維持と周囲筋力の維持が大切です。つまりは、現代医学では治療の方法が多くはなく、中医学的治療が有効である疾患でもあります。
中医鍼灸治療
変形関節症では、体型や血流の流れ水分代謝などの原因によって、それぞれ寒湿・湿熱・瘀血・痰湿にタイプが分けられます。
- 温める事で緩和する「寒湿タイプ」
- 冷えや身体の湿気を原因にし、冷えや湿気を受けると症状が強くなります。
おキュウを主に使い、筋肉を温めて緊張を取り除く事で痛みを減少させます。さらにハリを使い血流を高めながら、体の不要な湿気を取り除く為に脾胃を調える治療を行います。
- 痛みの部分に熱感があり、ズキズキ痛む「湿熱タイプ」
- 炎症があり赤みや腫れが強く、普段からお酒や油物を好み、肥満気味な方に多い。温める事でかえって痛みや腫れがひどくなるタイプ。
ハリを主に使い、痛みの出る場所を中心に腫れを退かせる治療を行います。
- 刺すような痛みが決まった場所に現れる「瘀血タイプ」
- 冷えや緊張による血流の停滞状態である「瘀血(おけつ)」が、患部の個所に現れる事で出る痛みです。刺すような痛みがあり、夜になると症状が強くなる、痛む場所は常に決まっているなどの特徴があります。
ハリとキュウの両方を使うことにより、冷えや筋肉および精神的緊張を減少して瘀血の状態を緩和を図ります。
- 水太りでジワジワ来るような慢性的な痛み「痰湿タイプ」
- 水太りタイプで、雨の日などなると症状が強く出るようになるタイプで、湿の塊である痰が経絡に滞ることで症状が発生します。このタイプは、特に消化機能を調整する脾胃の機能低下が認められることが多くみられます。また、このタイプは寒湿や湿熱タイプへと変化しやすい傾向があります。
ハリを中心に痛みの緩和をしながら、脾胃を調整するハリやキュウで全身調整をして症状の緩和を図ります。
当院での治療進め方は、鍼灸治療やアンマ治療を中心に、漢方薬で根治的・補佐的な治療を行うことを推奨しています。