中医美容 - 経穴療法(鍼灸、按摩、カッサ、耳ツボ)

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経穴療法(鍼灸、按摩、カッサ、耳ツボ)

顔を巡る経絡とツボ

人体には身体の内部と外部の情報を交換し合うネットワークがあり、それを経絡と読んでいます。経絡のうち、気血の循環を調節するスポットを経穴といい、縦と横に十二本の経絡流注が形成されています。経絡と経穴は体表面に存在し、人体の皮・肉・脈・筋・骨と五臓六腑とが緊密な関係を持っています。

身体の内側の状況が外側にあらわれる

十二経絡には気と血が流れ、それらが全身を循環することによって、身体に栄養を与え、皮膚に潤いをもたらし、健康的な肉体を維持しています。
いくら顔の美容といっても、外から人工的な装飾をするだけでは根本的な悩みの解決にはなりません。

経絡は皮膚、筋の間や関節を巡っています。そのため、正常な気血の運行は、皮膚のツヤや色、筋の衰え、関節の動き、肥満や消痩などと関係します。充分な量の気血がスムーズに循環していれば、顔の色ツヤは良くなり、細胞組織も生き生きとしているはずです。反対に、顔に何かトラブルが生じた場合は、気血の運行や量に問題が生じていると考えられます。

『黄帝内経』の中にこのような記載があります。

「十二の経脈、三百六十五の絡脈のその血気はみな上に上がって顔面に注ぎ、七竅に注いでいる。精陽の気は上に走って目に注ぐとものが見える。傍行する気は両側から上って耳に注いで聴くことができる。宗気は上がって鼻に注いでにおいを嗅ぐことができる。濁気は、胃から上へ上がって唇と舌に通じ、味(五味)を知ることができる。その気が化した津液は、皆上行して顔面を燻蒸するため、顔の皮膚は厚く、筋肉は堅実である。従って、天候がひどく寒冷でも寒さに負けることがない。」

女性の年齢と生理変化

「女性は35歳になると陽明(胃経、大腸経)が衰え始め、顔には潤いや弾力がなくなり、抜け毛も増え始める。42歳頃には太陽(膀胱経、小腸経)、陽明(胃経、大腸経)、少陽(胆経、三焦経)の顔面部を走行する三つの陽脈がいずれも衰え、顔はこけて、髪は白くなる。」

例えば、頬骨や額、頬は足の陽明胃経が走行し、鼻の両側、下唇は手の陽明大腸経が走行します。つまり、陽明経はほぼ顔全体を覆っているため、胃腸の働きが悪いと、顔色は悪くなります。胃気が満ちて腸の働きも良ければ、顔には自然なツヤがでます。
また、側頭部、耳の前側は足の少陽胆経、手の少陽三焦経が走行し、多くの女性は40代になるともみあげの辺りに白髪が生え始めます。これは少陽の気が弱まり始めたことをあらわします。

美容のためにはまず経絡の通りを良くして気血の運行をスムーズにします。特に、顔の美容のためには経絡では胃経、胆経の流れを重視します。

ダイエットにおける鍼灸治療の意義

ダイエットにおける鍼灸治療では、インスリンや性ホルモン、副腎皮質ホルモンなど、内分泌の異常を調節することができます。中医学的には鍼灸治療によって臓腑を調理し、正常な機能を回復します。

自分で実践できるピンポイントダイエット

ピンポイントダイエット法としては、ツボを利用した方法もあります。
おへその周りのツボ(気海、大巨、関元、天枢など)を刺激することにより、新陳代謝を促進、食欲を低下させる、内分泌を調整する、などによりお腹の膨満やむくみを改善し、下腹ぽっこり肥満を予防します。

瘀血は美容の大敵

瘀血のある人は、皮膚が他の人と比べて暗くなりやすく、しみやくすみ、目の下のくまが出やすいのが特徴です。
気持ちが塞ぐと血の流れも滞ります。気分が晴れず、ストレスが溜まって毎日が快適でないと、顔色も悪くなります。中医学的には、情緒の圧迫により肝鬱となり、気の停滞が血の停滞を起こします。

冷えは瘀血や肥満の原因

また、熱量が足りない場合も血の停滞が起こります。これは、手足が常に冷えている様な人は体全体も冷えていて、陽熱が不足しているため、気血を押し流す推動力が足りないためです。冷えは血液をも凍らせ運行を妨げます。

夜更かしは瘀血が停滞して婦人科系疾患のリスク増!

さらに、夜更かしする人は血液中の水分を消耗します。夜は陰の時間で体に潤いをもたらす時間帯ですが、この時間に寝ない場合は水分が蒸発して血液中の水分も少なくなり、ドロドロ粘稠になって果ては塊になります。塊とは例えば子宮筋腫やチョコレート嚢腫などの婦人科疾患に多く見られます。

情緒の鬱積や冷え、生活習慣が血液を停滞させ、新しい血液の生成を妨げるため、顔面を栄養できずしみやくすみ、目の下のくまとなって現れます。

体を冷やさない、夜更かししないなど生活習慣の改善は不可欠ですが、血の巡りを改善するには、鍼灸や按摩の他に、吸い玉(カッピング)やカッサ、刺絡がおすすめです。

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