中医学でいうところの体質とは、先天的な遺伝と生まれた後に得た後天によって形成されるもののことを指し、人間の個体は形態構造と機能活動に特有の比較的安定した特性があり、心理性格とも相関性があると考えています。
現在主流となっている中医の体質学説は、人の体質を9つの種類に分けるもので、体質ごとに様々な特徴があります。
中でも痰湿体質、湿熱体質、気鬱体質、気虚体質、陽虚体質の5つが太りやすい体質と考えられています。
痩せたいと思ったら、まずはそれぞれの体質の特徴を把握し、あてはまる体質に見合った食事法、運動法を知り、自らの体質に合った方法で的確に調整します。
このタイプは、汗をたくさんかくような激しい運動や、食事制限によるダイエットは不向きです。痩せたいならむしろ良く食べて不足を補う必要があります。
このタイプは、野菜ダイエットは不向きです。主食を食べない、夕飯を食べないなどのダイエット法もよくありません。
このタイプは、水をたくさん飲むダイエットは不向きです。飲めば飲むほど痩せにくくなってしまいます
痰湿タイプの症状は前述の気虚タイプ、陽虚タイプが進行すると必ず起こります。体内にエネルギーが足りないため、体内の湿をさばききれず、長く停滞して痰となります。痰湿と気虚の合併症タイプの特徴は、『黄帝内経』に書かれている「膏人」のことで、お腹の肥満が主で、加えて気虚の症状が見られます。この場合は、健脾益気、化濁去湿の方法を用いて調整します。
このタイプは、カプサイシンダイエットは不向きです。すればするほど太ってしまうでしょう。
このタイプは、痩せることを物ともしないような楽しい心理状態がダイエットを攻略します。
9つの体質とは言っても大抵はいくつもの要素を兼ね合せていて、ひとつの体質では言い表せないため迷いがちです。自分がどの様な方法でダイエットすれば良いか、わからない時は次の様な原則を目安にしたり、プロの手を借りて行なうのがおすすめです。
運動の例を1つあげると、大抵の人はダイエットに運動は欠かせないと考えています。ある人は毎日烈しい運動に勤しみ大量の汗をかきます。しかし、もし虚弱タイプの肥満なら、元々汗が出やすいので毎日体を鍛えて烈しい運動でも汗をかいて良いでしょうか?実際には痩せにくいだけでなく体は消耗してさらに体を弱めてしまいます。
ダイエットの大前提は体の健康を損なわないことです。誤った方法では効果が得られないばかりか体を損傷してしまいます。
中医ダイエットの強みは、体質を見極めて個々の体質に合った減量を行える点です。10人が同じ方法を用いるのではありません。共通することは、食べ過ぎない様にすることです。その上で、的確なダイエットプランを組み立てます。
例えば陽虚体質の人は寒がりで陽の気が足りていないので、夜は食べない様にします。或いは今流行りの野菜や果物ダイエットがありますが、ちゃんと食事を摂る方が向いています。温かいものをたくさん摂る様にします。また、同時に陽虚の人は運動したがらない傾向にありますが、軽い運動は陽気を生むので、適度な運動をすることで陽気を奮い立たせ、代謝を高めて痩せやすくなります。
気虚タイプの人は元々疲れやすく虚弱なため、動かなくても汗をかきやすいので、食べずに痩せる方法や節食による方法は避けるべきでしょう。大汗をかくような烈しい運動も避けましょう。反対に、食べるものには気を遣い、質の良いタンパク質を摂り、働きすぎ、休み過ぎには注意します。
この様に、最も適したダイエット法は人によって違います。一言で簡単には言えないのです。ダイエットの鍵は自分の体質の特徴を掴むこと。そして、その体質に合ったダイエット法、薬を用いること、つまりバチと太鼓のようにぴったり合うことが重要です。