中医美容 - 痩身(ダイエット)

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痩身(ダイエット)

中医学的体質分類

中医学でいうところの体質とは、先天的な遺伝と生まれた後に得た後天によって形成されるもののことを指し、人間の個体は形態構造と機能活動に特有の比較的安定した特性があり、心理性格とも相関性があると考えています。
現在主流となっている中医の体質学説は、人の体質を9つの種類に分けるもので、体質ごとに様々な特徴があります。

太りやすい体質

中でも痰湿体質、湿熱体質、気鬱体質、気虚体質、陽虚体質の5つが太りやすい体質と考えられています。
痩せたいと思ったら、まずはそれぞれの体質の特徴を把握し、あてはまる体質に見合った食事法、運動法を知り、自らの体質に合った方法で的確に調整します。

①気虚肥満

キーワード:
筋肉がとてもやわらかくぽっちゃり、むくみ、息切れ、喋るのがおっくう、元気がない、性格は温和だが臆病

このタイプは、汗をたくさんかくような激しい運動や、食事制限によるダイエットは不向きです。痩せたいならむしろ良く食べて不足を補う必要があります。

出やすい症状
太って筋肉はたるみ、全体的にポッチャリしている。
頭が重く息苦しさを感じる。精神的に疲れやすく話はあまりしたくない。
体力がないので少し動くとだらだら汗が出る。
舌はぼってり大きく分厚い。舌先に歯痕があり、全体に白い苔が付着。

②陽虚肥満

キーワード:
寒がり、やわらかくぽっちゃり、大便が形にならない(軟便または下痢)、運動したくない、肥ったり痩せたりを繰り返しやすい

このタイプは、野菜ダイエットは不向きです。主食を食べない、夕飯を食べないなどのダイエット法もよくありません。

出やすい症状
食べる量は少なく、筋肉は柔らかい。腰背部にぜい肉が付きやすい。
疲れやすくだるい。動きたくない、少し動くと息切れする。
寒さに弱く手足は氷のように冷たい。腰や膝の関節は冷えて常に痛む。
女性なら子宮の冷えや生理痛の問題、男性はEDなど生殖系に問題がある。

③痰湿肥満

キーワード:
肉が硬い、お腹が大きい、大便が粘稠、甘いものや脂っぽいものが好み、顔が脂っぽい

このタイプは、水をたくさん飲むダイエットは不向きです。飲めば飲むほど痩せにくくなってしまいます

出やすい症状
肉は比較的硬い。脂肪含有量が比較的多いため体が硬く、お腹が大きい。
四肢がむくんで重い。顔には艶がなく瞼が腫れる。
大便はベタつき便器に付きやすい。又は軟便。
舌はぼてっと大きく縁には歯痕、苔は白く厚い。

痰湿タイプの症状は前述の気虚タイプ、陽虚タイプが進行すると必ず起こります。体内にエネルギーが足りないため、体内の湿をさばききれず、長く停滞して痰となります。痰湿と気虚の合併症タイプの特徴は、『黄帝内経』に書かれている「膏人」のことで、お腹の肥満が主で、加えて気虚の症状が見られます。この場合は、健脾益気、化濁去湿の方法を用いて調整します。

④湿熱肥満

キーワード:
口や舌が乾燥しやすい、食べてもすぐお腹が空く、便秘しやすい、ニキビができやすい。

このタイプは、カプサイシンダイエットは不向きです。すればするほど太ってしまうでしょう。

出やすい症状
お腹がすぐ空く。食べる量は多く味の濃いものを好み、ひどいと口臭。
顔が脂っぽく体や髪もベタつきやすくニキビが出やすい。
便秘しやすい、あるいは大便が粘稠で臭いが強い。
女性のおりものは黄色っぽく、男性は陰嚢が湿っぽい。
舌の色は紅く苔は黄色く厚い。

⑤気鬱肥満

キーワード:
口が渇き苦い、イライラ怒りっぽい、ストレスが大きい、不眠、便秘しやすい。

このタイプは、痩せることを物ともしないような楽しい心理状態がダイエットを攻略します。

出やすい症状
肉は硬く、部分的に肥満が見られる。
急に太ったかと思えば急に痩せることも。食べることでストレス解消するため、ダイエットを繰り返す人が多い。
常に口が渇き、口が苦い
悶痛や張満を感じやすく、便秘や胃酸を吐くこともある。
気持ちが揺れやすく、ソワソワしたり怒りやすくなったり鬱々したりを繰り返す。
ひどいと便秘になる。
舌色は暗め。

正しいダイエット法見極めの原則

9つの体質とは言っても大抵はいくつもの要素を兼ね合せていて、ひとつの体質では言い表せないため迷いがちです。自分がどの様な方法でダイエットすれば良いか、わからない時は次の様な原則を目安にしたり、プロの手を借りて行なうのがおすすめです。

●体質の原則
当てはまる項目が一番多い体質はどれか、もしくは最も深刻な症状が当てはまる体質はどれか。
●複合体質
どの体質にも同じぐらい当てはまる時は、優先順位を決めます。まずは湿熱を取り除き、次に痰湿を取り除き、次に疏肝、補気、最後に補腎の順に行います。
●最適原則
自分で湿熱を一番重いと感じるなら湿熱を取り、痰が重いと感じるなら痰湿を取り、という様に現在の自分の状況を主に考えます。
●季節原則
春は舒肝、夏は去湿、秋は潤肺補気、冬は補腎、また一年を通して健脾利湿を行います。
●中医ダイエット法の分類
前述の果物を主食とするダイエットについて、もしも陽虚体質の肥満なら脾胃が冷えているため、毎日大量の果物や野菜を主食にしたら脾胃の陽気を損傷してしまいます。

運動の例を1つあげると、大抵の人はダイエットに運動は欠かせないと考えています。ある人は毎日烈しい運動に勤しみ大量の汗をかきます。しかし、もし虚弱タイプの肥満なら、元々汗が出やすいので毎日体を鍛えて烈しい運動でも汗をかいて良いでしょうか?実際には痩せにくいだけでなく体は消耗してさらに体を弱めてしまいます。

ダイエットの大前提は体の健康を損なわないことです。誤った方法では効果が得られないばかりか体を損傷してしまいます。

健康的かつ的確に痩せるために

中医ダイエットの強みは、体質を見極めて個々の体質に合った減量を行える点です。10人が同じ方法を用いるのではありません。共通することは、食べ過ぎない様にすることです。その上で、的確なダイエットプランを組み立てます。

例えば陽虚体質の人は寒がりで陽の気が足りていないので、夜は食べない様にします。或いは今流行りの野菜や果物ダイエットがありますが、ちゃんと食事を摂る方が向いています。温かいものをたくさん摂る様にします。また、同時に陽虚の人は運動したがらない傾向にありますが、軽い運動は陽気を生むので、適度な運動をすることで陽気を奮い立たせ、代謝を高めて痩せやすくなります。

気虚タイプの人は元々疲れやすく虚弱なため、動かなくても汗をかきやすいので、食べずに痩せる方法や節食による方法は避けるべきでしょう。大汗をかくような烈しい運動も避けましょう。反対に、食べるものには気を遣い、質の良いタンパク質を摂り、働きすぎ、休み過ぎには注意します。

この様に、最も適したダイエット法は人によって違います。一言で簡単には言えないのです。ダイエットの鍵は自分の体質の特徴を掴むこと。そして、その体質に合ったダイエット法、薬を用いること、つまりバチと太鼓のようにぴったり合うことが重要です。

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